津村記久子作品に「出会った」。

群像2009年1月号に津村さんと松浦理英子さんの対談があって、図書館で読んでいたのだがそれがとてもとても面白く、
かつ深く共感するそれだったので、早速津村記久子さんが今年の野間新人賞をとった『ミュージック・ブレス・ユー!!』
とデビュー作であるらしい『君は永遠にそいつらより若い』を勢いよく二冊、そのまま図書館で借りてきて読んだ。

ミュージック・ブレス・ユー!!

ミュージック・ブレス・ユー!!

カンバラさんのイラストに惹かれて本屋で見かけては居たけど未読だった。
今日巡り会えた(というか私の頭に入ったタイミングの話だけだが)奇跡に感謝!
これは本当に面白い。今年読んでよかった本の一番に入れたい。(それまでは『宿屋めぐり』が一番良いと思ってたけど。)うまく言えないけど本当に面白かった。
最後の行で、「音楽は恩寵」と主人公とおんなじように私も思って生きていて、
生きるよすが、なんて私の思う言葉はださいが、
その思いは自分の身体なんかよりずっと大事であることに強く深く共感して、
それだからこそ「生きていける」ということに
胸がギュッとなった。
君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い

これも面白い。読後の重さもわたしは良いと思った。生きる重さだ。ああ、わたしも誰かのことを胸に思って闘いたい。
そして行動を起こしたい。
津村さんの書く人々は「闘っている」。
それはとてもあほな人から見たら非力な戦いなのだが(世の中をしゃらしゃらと渡ってゆくあほなひとたち)、
あほじゃないことをかろうじて言い聞かす私たちにとって切実な、ぺらぺらな書き割りに似たこの世と己の根っこを
どうにか接続させ得る為の「営み」なのだ。

全然まとまってないけどとにかく津村さんを今日知れて良かった。とても素晴らしい作家です。