必要なとき、必要なものを よしもとばなな新刊『彼女について』

彼女について

彼女について

心がへしゃげきったとき、なぜか手元にはよしもとばななの本がある。
なぜかって、自分で選んだくせに人ごとみたいだが、平然としきった顔を作ってみせても
無意識下では救いをもとめてはちきれそうで、結構こういうときの
自分の精神状況はやばい。はっきりいってやばい。
すがっているわけではない、と思う。そんな風に本を読みたくない。
そもそも落ち込みきったら本は読めない(はずだ)。
・・・ぎりぎりのラインで出会ったこの本、昨日一晩で読んでしまった。

すごく面白かった。割とはじめのほうに「私の体だけが私のほんとうの友達だ、
そういうふうに思う。どんなときも、どこにでもついてきてくれる」
という一文に
はっとして、急に自分の体が愛しくなった。
なんてゲンキンな人間だろう。だっていつも真逆のこと考えてイライラしてたもの。
「自分の体なのに自分の思うとおりにならない」ことに。
でもそうじゃないんだなってことが分かった。

本編の後半から驚天動地の展開です。読み終えてもう一度はじめから、今度は噛みしめて
ゆっくり読もうかなと思う。
前述の言葉「私の体だけが私のほんとうの友達だ」も、「生きていてこそ」言える言葉です。
だからこの本の真価は、二度目の読書で分かる筈。もちろん1度目でも大感動、だけど。


夜一時くらいに読み終わってそれから寝て、三時頃汗びっしょりで一旦起きたが、
なぜなのか悪夢にうなされた感もなくってただ汗だけいっぱいかいていた。
そのままもう一度スコンと寝て、六時に起きたときは、運動した後みたいに体が軽く、すっきりしていた。

この本が私にもたらした作用の具体例が以上。不思議とは思わない。
しかるべきメッセージを受け取った体が出した答え(って二度寝しただけじゃん)か。
というより溜め込んでいたもやもやしたものが出て行ったってことですね。

今このときこのタイミングで読めて良かった。