毛皮のマリーズがやって来る!ゲス!ゲス!ゲス!@渋谷CLUB QUATTRO(ワンマン)

★『Gloomy』リリースツアーのワンマン公演、ファイナルかと思いきやツアー前半戦にて志磨さんの背骨骨折があったらしく、
トンだ分の延期になった公演がまだ残っているという、そんな六月六日。ゴロがいいねえ。
レッドクロスでワンマンやるって張り紙も!全方向開放?とか。へえ面白そうだなあ。
開演を待つ場内は「エゲツナイTシャツ」を召した人が多く。うーんなんか、買わなかったけども。。。
客入れBGMはビリージョエルのピアノマンとかあとゾンビーズのShe 's not thereが流れていた(コレ好きなのよ〜)。
十五分押し。ピアフの『愛の讃歌』が厳かに流れ始めた。「おおっ」と湧く人々!!いよいよスタート。場内は満員。
一曲目はアルバム同様『チャーチにて』。
いきなり皆しんと聞き入る。少しばかり張りつめた空気。
志磨さんは歌う時腰に手を当てる時がある。なぜだろう、動作のひとつひとつがカッコいい。
静まり返った場内だが、これから暴れてドーゾとばかりに『人間不信』に入ると、怒号が(笑)
私もかっこよさ過ぎて笑ってしまった。毛皮のマリーズ四人は、絵になりすぎなほど、バンドとしての存在感が際立っている。
私が映画監督なら迷わず彼等のドキュメンタリーを私費でも撮るね。
そんくらいカッコいい。うわあ、誰か撮ってないんですか?絶対皆みたいと思うんだ。
特にロックに飽きたってほざく人に効くと思うぞ。
★彼らに惚れた年末のフェス以来。。。(つまりはにわかファン)
今日はホントに楽しみだったけど、一番の目的は新アルバムの5曲目『ザ・フール』。
ラストのコーラスワークが大好きで、これを生で聴ければもう今日はいいわ、って思っていた程。
そしたらば私的ハイライトが前半でいきなり登場。
そう、『ザ・フール』だ。志磨さんは演説、そう、言うならば絶妙な「愛の演説」をかましてくれたのち、この曲を歌い始めた。
「今日ここにきているひとはみんなバカです。バカはいろいろなことがうまくできなくていつもひとりで。」
泣いちゃった。私。泣かされに来たんじゃなかったのになあ、もう。
「こんなに私たちの音楽を理解してくれる人々が集まったとは。」
この言葉、今年前半で計三回聴いたことになるぞ。ピープル、ノベンバ、そしてマリーズ!
「愛しています。俺が愛してると言う時はいつも本気だぜ。愛しています。ひとりひとり。ここにいるひとりひとり」
でもとてもそれには時間が足りない、そのために音楽がある、そういってライブは続いていった。
アンコールはダブルで。でももう本編だけでも十二分に私は魅了されたよ。
★ソウルフラワーの奥野さんもゲストに来ていて嬉しかった。
マリーズを見ていると、すごくわくわくするのと同時に、「夢を見られる」気になる。このバンドは「信じられる」。
上手く言えないけど、彼等の魅力ってそこにあるんじゃないか。
ほとんどさみしくて時にあらぶる鬼のような心があってそれをもてあましながら、人を信じて騙されてなんかバカにされて、
ロックを信じて。でも人生うまくいかねーなー。
そういうひねくれきった心の持ち主は、(つまり私はだ)、きらきらした彼等に、彼等の音楽に、希望を見出すのだ。
暴走しているように見えて実に美しい。
マリーズはカルトバンドではない。
今知らない人も、知らないだけだ、知ったらきっと熱病のように好きになる。あ、それってカルト?いや、恋に似ている。
ふむ。言い直すなら、たくさんの人の心を巻き込んでゆく。
まるでロックンロールミシンだね。
「さよならミュージック さよならラブ
 私はとってもロックンロール
 さよならミュージック 大嫌いだ
 私に似てて 大嫌いだ
」(アンコールラスト『悪魔も憐れむ歌』より)

★。。。大好きです。ありがとう志磨さん。ありがとう毛皮のマリーズ
 帰るときに靴をなくした裸足のダイバーが俯いて座り込んでいたけど、チラッと見たらなんだか充実した顔だったよ。
 ダイブと言えば、目の前にいたなんだか狂撃のメンバーみたいな格好の(革ジャン&カーリーヘア)男子が『愛するor die』の時に
 助走を付けて大きく息を吸い込んで、前列に文字通り飛び込んでいった光景が忘れられません。
 静止画像のようで、次はっと気づいたら彼のエア(っていうのか)が最前列にてキマッてました。
 一旦沈みましたが、なんどか曲が変わるたび
 彼のカーリーヘアは浮上していました。
 マリーズファンは熱い男子多いぃなー。