お前の話なんだよ、実は。生きる以上。

・・・というわけでHDDを整理して、『ボクらの時代』と『クエスト〜探求者たち』
を見た。
◆『ボクらの〜』は八嶋さん×克美さん×段田さんの御三人。
プロモーションの一環であるけれど、演劇ファンとしてはもう単純に嬉しい。こういうのは大歓迎。
夜の来訪者、観ないんですが;)なにせ御三人ネプリーグにも出てたからね!
内容、めちゃくちゃ面白かった。名言もあって、そう「(台詞は噛んでもいい、)心がとぎれるほうが
問題だから」という段田さんが放ったうえで忘れてたらしい言葉はぐっときた。
あとは、なんだか克美さんを見ていると厚い胸板に寄り添ってみたくなる。
「先生!」(NHKドラマ『フルスイング』の影響が大)
台詞覚えの話になると「お風呂で、紙に書いたものを貼って覚える」などと話していて、(あと書いて
覚えるとも)当たり前の話ではあるけど大変です。こういう話って役者さんはあまり話さないような。
◆今回は野田さんのドキュメンタリーである『クエスト』、冒頭から驚愕。
まあ当たり前ちゃあそうなんだけど新作の映像が映ってしまってこれから観るのにネタバレだよぉと思った;
新潮に掲載されている戯曲も冒頭の三ページだけ読んで
「えっパイパーって人名?っつうかコンドルズ全員がパイパー?わー。」
「・・・大倉さんを少年役として使うのはズルいわ(見たいもん。ハマり役じゃ)」
「やーっぱサトエリは巨乳役(失礼だよとは思いますがすみません)かぃ」
など色々思うことはあったが何より活字の時点で面白すぎて、読むのを一旦止めている。
ホンモノを来週末に観てから、本でじっくり理解したい。
――とか思っていたのにこのドキュメンタリーでけっこう全貌の一端くらいは観てしまったようなもの。
しかも面白くて最後まできっちり見てしまった。
なんと私もちょうど夏に観光した*120世紀美術館でのワークショップ映像とか、見ているとホント面白い。
身体が言語に成りうるということ。言葉だけじゃ届かないということ。
「歩き方で5割きまる」ということ。見ていてすごくクリアに理解できた。
特に嫌いな姉がいてそこから去るやり方とかむちゃくちゃ面白かった。

身体性というキーワードが面白がれないと野田作品に入れないのではないだろうか。
なお番組冒頭で、「(作った芝居に対して)ポカンとされることもままあるが、(芝居の内容は)お前の話なんだよ、
実は。生きる以上」と言った野田さんに心が震えた。

わたしが『パイパー』を実際観てたとえば「荒唐無稽すぎ。わからん」と思ったとしても多分それが「だからダメ」ってことにならない理由はここだ。
っていうかこれにつきる。
芝居って絵空事じゃん結局リアルな話じゃないでしょ
あんなの霞食ってるようなもんだよ 金の無駄 観た後残るモノじゃないでしょ
って言われても(言われてねえけどまあ暗にはね)
芝居を見続けている理由は。
「そこに私の話があるんだ」。
いやあ野田さんという人はドキュメンタリーの枠に収まらない人だ。感服です。

*1:あの日比野さんと多摩美の学生さんで作った劇場を体感したのだ。ホントに演劇してたんだあの場所で。。。