◆4/12は新宿FACEにて『ヘドウィグアンドアングリーインチ』を観劇。

(映画版はみたが、私この芝居は初見です)
冒頭、客席からコージ・ヘドがあの泣き笑いのようなほほえみを浮かべてステージへと歩いてきた瞬間、
この芝居絶対面白い!と確信した。
そして事実そうだった。山本耕二氏、あそこまで成り切るのは相当なことである。
今までファンじゃなかったけど、彼のヘドすっごく好きだ!愛しい。
書いている今もまた観たくなってきた。あ〜一瞬でトミーに早変わりするあの場面が目に焼き付いて。
引き裂かれた自己の融合がこの作品の核なのだろうとは思うが、わたしはやはりすこし納得できないでおり。
ヘドがトミーに吸い込まれていく終わり方が哀しい。
共演者ソムン・タクさんの歌声はハートに直で波動が来た。二人の歌、もっと聴いてたかったよ!


◆4/13は本多にてポツドール『顔よ』観劇。というか観戦?
以下バレてますから留意のこと。
楽日ともあって満席。。。
いつもながらセットの秀逸さに目を見張る。ほんとに、すごいよく出来てる。
なんでもないよーに垂れ流してるテレビ映像含めて。
総じてすごく疲れたがすごく興奮した芝居だった。(濡れ場に興奮したわけではない)(むしろマジに怖かった)
同時進行は当たり前、もう目の前で繰り広げられることの情報が多いこと多いこと。
立ち見の人々も出た盛況ぶりだったがもっとヒキで観ないと分からないのでは。とは、よけいなお世話だね。
自分はD列だったが見上げてて首が。。。(そして見えない場面もけっこうあった。)
ともかくすごかった。緻密で精巧に計算された内容。
最後の最期はねぇ、ぶっとばされたよ。
シックスセンス並みの超どんでん返し。
今までさんざん繰り広げてきた「貴方はヒトを見た目で判断するのか/つうか顔ってなんなんでしょう?」云々をスパンと超越。
というか、舞台上で飛び交ってきた矢が最後客席にズバッと飛んできた、そんなラスト。
「胸の内の悪意こそが人のモノを見る目を浸食する」
その実験結果(=妄執でこねられた世界)の二時間半ってことですか。
はぁ。書いててまた観たくなってきた。立ち見の人、もしかしてリピーターさんか?
観たあとなら言えます。二時間立ちっぱなしでも観るよ私!また再演してください。
ずっと隠蔽されつづけたリアル=あのラストの米村さんの笑顔、をまた見てみたいから。彼の一番の見所はあれだよね。
あの場面でやっと構造を理解。で「ええー!?」←終幕。

ぱっと見は害のない一人の主婦のノンリアルワールドでは、米村さん演ずる隣の家のアパート住人が
変質者(しかもこちらに都合良く性的欲求を持ってるという設定)。主婦は多分、夫の妹(同居)に日々いびられていて。
もちろん顔のことで(最後の最期見たら分かります)。夫もなんだか離れてく(させてくれない方は、夫なんだと思う)
・・・で美人の顔を己に着せ。火傷は憎い義妹に転化され、それからこの物語は始まった。

事実上だれも死んでないし殺してない復讐劇。
いやあ、なんとか理解した(つうかひとつの推測ですよこれは)今で分かったが、
舞台上のたくさんの役者の叫びが全てあの主婦のものなんだ。
義妹の発言だけは妄想の世界上にあっても彼女を苦しめ続けたね。

でももしかしたら。すべてがあの主婦の被害妄想であったら?
底なしの業を感じる。ニンゲンって何ね。
すげーよ三浦さん。
そして出演したすべての俳優さん。。。
あんな拍手では伝わった感じがしないけど驚愕/嘆息ならたくさんしました。
ありがとうございました。
次の公演(『夢の城愛の渦』再演)も言わずもがな、行きます。