People In The Boxワンマン 空から降ってくるvol.2@日比谷野外大音楽堂

個人的に野音は9mm以来で(2年前!)なんだかどきまぎ、3時に着き、結構並んでグッズを買ったあとは表参道に行って大坊珈琲に寄ったりしてみた。あいかわらず旨い珈琲。しかしその後トンボ帰り。必死でB6列を探す。
Peopleの音を生で聴くのは3月のAX以来。上着とカッパを念のため持参。←「降ってくるのが雨でなくてよかったね」byハタノ氏。そう降り注いできたのはもっと凄まじいものだった―。
バンドとしては新譜リリース直後のタイミング。ワンマンで野音なんて!幸せすぎる。こんな日が来たのだ。

1.旧市街
2.アメリ
3.はじまりの国
4.ベルリン
5.海抜0m
6.リマ
7.ストックホルム
8.水曜日/密室
9.冷血と作法
10.犬猫芝居
11.レントゲン
12.レテビーチ
13.ブリキの夜明け
14.泥の中の生活
15.火曜日/空室
16.月曜日/無菌室
17.生物学
18.天使の胃袋
19.完璧な庭
20.ペーパートリップ
21.日曜日/浴室
22.バースデイ

アンコール1
1.新市街
2.ユリイカ
3.She Hates December

アンコール2
1.ヨーロッパ

総括的にやる、とハタノさんは書いていたけど、私が聴いていて思ったのはPeopleは次の次元に立ったのだということ。
新譜を聴いて(聴きこむまではいかずまさにこれからですが)感じてはいたけど生音で接してみて良くわかった。
演奏はラフな箇所もあって、肝心なハタノ氏の声が裏返ったり、完成度は高くなかった。
だけどそれが何だ?
野蛮な3人が見られて私は嬉しかった。特に!バンドを支える屋台骨ドラム大悟氏!あなた最高よ!
オカン来てますけどブッ殺しにいきますんでヨロシクMCに萌えたことは内緒だ。っていうかこんな息子の晴れ舞台見られたオカン最高、ってくらい
ダイゴマンの良さが炸裂してた。
もちろんこのバンドの持ち味とされている緻密な演奏も変わらずあったけど、垣間見られた勢いのあるラフさが良かったのだ。彼らがライブバンドである証だと思う。って前も同じこと書いたな私。
つくづくハタノさんて凄い。あの天使と悪魔が同居したような繊細な喉を相当な鍛錬で操ってるんだろうと思う。
作っているのは自分な訳だから、頭の中の設計図に沿って喉を使わなくちゃいけないのだ。まさに喉の労働者(by草野マサムネ)。でも綺麗に伸びる声が良いのはそらそうなんだけど全力尽くしたあとのアンコールでやってくれた『She Hates December』のディッセンバーァァーーーの絶唱、というか咆哮、まさに獣のそれ、が鼓膜に届いたとき、心底ぞくぞくした。かっこよかった。
セットリストで言うと、大好きな『ブリキの夜明け』が本編に入っていて個人的に小躍りした。滋味深い曲。
本編ラストが『日曜日/浴室』からの『バースデイ』で、最高だった。

そして大ラスに『ヨーロッパ』。獣の咆哮のあとにヨーロッパ。バンドの底力を見せ付けた。これでもかってくらいに。Peopleを聴いてきて良かったなあと思えた。そしてこのバンドは、ハタノさんが言葉に詰まりながら「好きでいてくれて嬉しい」と言ってくれたように、熱心なリスナーに支えられつつ、ステージを上げる。メジャーになったのは一事実として、そんな媒体云々じゃなく、もっとひらけて、大きくなる。その確証を得たワンマンだった。まさに扉が開くのを私は目撃したのだ。
もっともっとこのバンドのライブが見たい。成長をつぶさに見届けたい。じゃないと、気がすまない。素晴らしく愛しき生き物。