THE NOVEMBERS “樹海はチル”〜iminnoko〜@渋谷QUATTRO(ワンマン)

待ちに待ったワンマン。満員でフロアには降りられなかったほど。
人の頭と人の頭のあいだの小さな三角形からステージ上の金髪の小林さんを祈るように眺める。
視線は下げず、人込みの中、音楽だけに集中した。
本編は、新譜『paraphilia』の一曲目を完璧に再現して始まった。
音源よりも圧巻のライブ。ツアーで血肉とされ磨かれた楽曲勢が鬱ロックという下品な言葉をあっけなく粉砕。張りつめた場内の空気を裂く歌声と弾き/叩き倒されるギター・ベース・ドラム。
特記したいがこのバンドのドラムの音色、とても好き。小気味良い独特な張りがある。
全ての要素が絡まる精緻な轟音のなか、ふと胎内にいるかのような安らぎがあった。
ライブ後は体がばらばらになるのではないかと思わされてしまう、身を投げ打つような演奏を魅せた、志高き四人組。
新譜の一曲目では「逆さに吊るされてもかまわない」と歌った。
私はその言葉に震えそして共感した。
求道者という言葉をTHE NOVEMBERS、この硬派で普遍なライブバンドに捧げる

1.phila
2.chil
3.僕らの悲鳴
4.she lab luck
5.アマレット
6.BROOKLYN
7.ewe
8.mer
9.chernobyl
10.echo
11.para
12.dnim
13.keep me keep me keep me
14.ガムシロップ
15.Arlequin
16.こわれる
17.白痴
18.picnic

アンコール
19.ア_-オ

アンコール2
20.バースデイ

[セトリを眺めながらの追記]個人的にはparaからdnimの流れに圧倒された。
吠えるように歌う小林さん、
なのに曲が終わるととても素朴な声で「ありがとう」という。
数少ないMCのなかで印象的だったのは「dnimという曲名は僕の造語で、罠、という意味です」。
この曲にも凄いフレーズがあって
「フィルムの中で石を投げつける人達と 『ここにいたいなら笑っていろ』
狂ってる」

ここにいたいなら笑っていろとはまさに、罠。犯されるような罠ばかりがこの世界にあふれてる。
対峙するのは糾弾の音楽だ。この世界の違和を唱える彼らの音楽は必要である。吾等、移民の子。
[ピープル狂としての追記]今日は(RO69によると)ピープル波多野さんも来ていたそうな♪
中性的な佇まいでありながらその喉は強く、深い低音も印象的な高音も出る、「魅惑のうたうたい」能力を持っていて
でもMCとなると素朴。。。って無敵ですよあなた達!
こんな風に(どんなや)波多野さんと小林さんは音楽へ向かう姿勢のみならず、ボーカリストとしての共通項もたくさんあると思うのだ。やっぱりPeople In The BoxTHE NOVEMBERSは若手ギターロックバンドとして共に突出している。ライブ観りゃ分かる。別格。
しみじみそう思う一夜でした。